ひとりバックドロップ

土曜日の夕食。拓は相変わらず偏食が激しい。
自分の好きな魚や肉を食べ、ヨイショっと立ち上がり、椅子の背に座る拓。
そして次の瞬間、視界から消えていった。

僕「うわぁ!」

「ドスン!!」

拓「ぴぎゃあ〜!」

子供用の椅子の座面は高い。そこからのひとりバックドロップの敢行。
初めてトップロープの上から場外の相手選手に跳んでいくタイガーマスクを見たとき以上に背筋が凍る思いをしたが、幸いなんともなかった。

そして次の日、拓は何もなかったようにまた椅子によじ登っていた。
やっぱり男の子だねぇ。