2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ人の物語11 ユリウス・カエサル ルビコン以後(上)

人は、全幅の信頼を寄せてではないにしろ、他人にまかせなければならないときがある。そのような場合の心がまえは、まずはやらせてみる、しかない。 (66ページ)何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。…

ローマ人の物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)

カエサル個人の辞書には、復讐という言葉はない。復讐とは、彼にすれば、復讐に燃える側もその対象にされる側も、同じ水準にいなければ成立不可能な感情なのである。しかし、兵士たちならば、同輩九千の死に復讐心を燃やすのこそ当然なのだ。ただし、それを…

ローマ人の物語9 ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)

野心とは、何かをやりとげたいと思う意志であり、虚栄とは、人々から良く思われたいという願望である。 (19ページ)文章を表現手段に選んだ者は、自分が書くことの理解が所詮は読む人次第であるのは知っている。 (74ページ)敵地で闘う総司令官にとっ…

ローマ人の物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)

イタリアの普通高校で使われている、歴史の教科書 「指導者に求められる資質は、次の五つである。 知性。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。 カエサルだけが、このすべてを持っていた」 (前書き)「人間ならば誰にでも、現実のすべて…

ローマ人の物語7 勝者の混迷(下)

権力に執着しない潔い行為と、大衆が拍手喝采するのは勝手であり、それによる利益も少なくない。 理を理解する人が常にマイノリティである人間世界では、改革を定着させるにはしばしば、手段を選んではいられないからである。 (72〜73ページ)兵士たち…

ローマ人の物語6 勝者の混迷(上)

社会不安はしばしば、経済不安からはじまる。そして経済不安は、失業者の増加という形をとって姿をあらわす。 (40ページ)失業者とはただ単に、職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。・・・多く…