2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ人の物語40 キリストの勝利(下)

自分の考えを行動によって示す者にとっては、正直に告白しないほうが適策である場合が多いのである。 (63ページ)

ローマ人の物語39 キリストの勝利(中)

権力とは、他者をも自分の考えに沿って動かすことのできる力であって、多くの人間が共生する社会では、アナルキア(無秩序)に陥ちたくなければ不可欠な要素である。 (59ページ)官僚機構は、放っておくだけで肥大化する。それは彼らが自己保存を最優先す…

ローマ人の物語38 キリストの勝利(上)

「パクス・ロマーナ」(ローマによる平和)の終焉は、広域経済圏の終焉でもあったのだ。帝国の端々にまで張りめぐらされていた交通網は各地で断ち切られたままであったし、たび重なる蛮族や盗賊の襲撃は運送費の高騰をもたらしていた。 (14ページ)トップ…

ローマ人の物語37 最後の努力(下)

コンスタンティヌス以降はもはやローマ帝国ではない、としてペンを置いてしまう史家もいたほどである。 しかし私は、死ぬとわかった時点で早くも病室を出るよりも、どのように死んでいくかを見守りながら最後まで看取るほうなのだ。 ・・・だが、愛した人の…

ローマ人の物語36 最後の努力(中)

一国家の誕生から死までをあつかう通史を書いていて痛感することの第一は、人間にとっての幸不幸は、自分に合った時代に生れたか否か、にかかているということだ。資質も才能も努力する意志も、この一事を前にしては価値が薄れる。だから私も、成功の条件と…

ローマ人の物語35 最後の努力(上)

自らの限界を見極める能力はあり、またそれに基づいて方針を立てる能力はあっても、それを時を無駄にすることなく実行に移すには、いさぎよさ、としてもよい姿勢が求められる。 (32ページ)危機の状態から脱しようとするときには、最も本源的な命題にもど…