2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマ人の物語23 危機と克服(下)

報復とはしばしば、理性ではなく感情の所産であることを忘れるわけにはいかないのである。 (61ページ)自治は認められても財源を伴わないのでは、自治の権利とて行使しようがない。 (104ページ)機能的で公正な税制は善政の根幹であり、これを、安全…

ローマ人の物語22 危機と克服(中)

合理的思考と文明度は、比例の関係にあるのかもしれない。 (25ページ)目的のためには手段は選ばず、とは、マキアヴェッリでも言っていない。マキアヴェッリは、目的のためには有効ならば手段を選ぶ必要はない、と説いたのである。 (31ページ)敬意と…

ローマ人の物語21 危機と克服(上)

もはや坂をころげ落ちるばかりのローマ帝国を書いていて思うのは、中間と下部がダメになったら、いかに上部ががんばろうと何をやろうとダメ、ということである。反対に、中と下の層が充分に機能していれば、少しばかりの間ならば上層部の抗争で生れた弊害も…

ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち(四)

敗者復活を容認する国家は、健全に機能する国家でもある。ローマには、それがあった。 (47ページ)権力をもてば、それがどのようなたぐいの権力であろうと、権力をもたない側からの非難を浴びずにはすまない。しかも権力者への非難とは、なぜかその権力者…

ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち(三)

ピアノのコンクールでは、審査員は有名なピアニストが担当する。いかに音楽を愛していても、単なる愛好家には、票を投ずることは許されていない。それなのに政治となると、選挙では誰でもが一票を投ずる資格をもつとされている。でないと、反民主的と非難さ…

ローマ人の物語18 悪名高き皇帝たち(二)

エキセントリックな性格の人の内心は、小心者であることが多い。小心者は、他社の中に味方を開拓しようとするよりも、、味方とはっきりしている者で自分の周囲を固めたがる。そしてこのような性格の人にとっての見方は、血縁者であることが特徴だ。 (132…

ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち(一)

ローマの皇帝に正式に就任するには、前任者が指名しただけでは充分ではない。元老院とローマ市民双方の、承認を必要としたのである。 (38ページ)「平和」とは、外敵からの防衛だけで実現できるものではない。人々が安全な日常を過ごせてこそ、真の「平和…