プロジェクトK

友人が著者の一人。平成九年入省の国家公務員の有志が霞ヶ関
改革案を実名で(!)刊行した。
        霞ヶ関構造改革・プロジェクトK

まずはその勇気に拍手。

1万9千人の組織に在籍したことのある私は、当時その組織を
変えることができるとは感じなかった。個人のやりがいや幸せを
考えて大きな組織から抜けた。
霞ヶ関という、メガバンク以上にしがらみの多い組織の中で、
実名で改革案を提唱するという勇気を尊敬する。

さて、内容だが、「国民全体の利益」を追求するよう意識改革を行い、
(1)総合戦略本部の設置(2)人事制度の刷新(3)業務の効率化を
行うというものである。
これらが行えれば、競争力のある質の高い霞ヶ関になりそうだが、
本を読む限り現実とのギャップは激しそうだ。

恐らく最も難しいのが、人間の内面を変える意識改革だろう。
なぜ会社は変われないのか 危機突破の風土改革ドラマ (日経ビジネス人文庫)のシリーズなどが参考になるが、
意識改革(=組織の風土改革)ができると情報の流れが良くなり、
改善すべきところが目に見えるようになるため改革が進めやすくなる。

「なぜ会社は変われないのか」などを刊行しているスコラ・コンサルタント
http://www.scholar.co.jp/index.html
の風土改革の進め方は大変参考になるが、改革には必ず応援してくれる
権力者(サポーター)が必要である。
そのサポーターを獲得できるかが大きな鍵になると考える。

また、最も心配するのが、この改革がうまく行かなかった時に若手の
モチベーションが著しく低下することだ。
改革をしようとしてうまくいかないと、「あきらめ感」のために
以前より悪い状態になりがちである。
一度始めたからには、火を消してはいけない。
彼らをウォッチし続け、様々なところで彼らの話をすることで、
微力ながら応援していきたい。

*今日(1/30)の日経新聞朝刊の1面でも彼らの行動、提案が取り上げられていました。