本・映画

ロードス島攻防記

海の都の物語によく出てきていた「ロードス騎士団」。 不思議な存在と思っていたのだけど、その成り立ちから物語を通してとても面白く理解できた。 以下本文より要約、抜粋。 イェルサレムがイスラム教徒の支配下にあった九世紀の中頃にアマルフィの富裕な商…

NASAより宇宙に近い町工場

「ニッチ(すきま)をねらえ」とよくいわれますが、ニッチというものは「見つける」ものではありません。ニッチは自分でつくるものです。誰かがつくったニッチは、その誰かのもの。だから、自分でつくらなければいけません。 そのためには自分でやって、苦し…

海の都の物語(4)

「良識とは、受け身に立たされた側の云々することなのだ。行動の主導権をにぎった側は、常に非良識的に行動するものである」 ―当時のヴェネツィア外交官の報告書から― (21ページ)現実主義者が誤りを犯すのは、自分たちが合理主義者でリアリストなものだ…

海の都の物語(3)

現実主義者同士の間でならば、妥協は常に成立する。 (55ページ)ヴェネツィア人は、ライヴァルのジェノヴァ人と比べて、船乗りとしても商人としても、また海軍軍人としても少しばかり差をつけられていたけれど、組織づくりにかけては、断じて優れていたの…

海の都の物語(2)

指揮決定は、一人の独断を許さないようにしながらその道のプロたちにまかせ、他の人々もそれぞれの立場を守って全力をつくす。このやり方が共同体の利益を引き上げるのに役立つばかりでなく、結局は各個人の利益として返ってくる。ヴェネツィア共和国の政治…

海の都の物語(1)

理解と行動は、そうそう簡単には結び付かないものである。 (37ページ)国家は、陸地型の国家と海洋型の国家に大別されると、誰もが言う。私には、この二つのタイプのちがいは、自給自足の概念のあるなしによって決めてもかまわないのではないかとさえ思わ…

ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち(三)

ピアノのコンクールでは、審査員は有名なピアニストが担当する。いかに音楽を愛していても、単なる愛好家には、票を投ずることは許されていない。それなのに政治となると、選挙では誰でもが一票を投ずる資格をもつとされている。でないと、反民主的と非難さ…

パンツを脱ぐ勇気

熱い熱い1冊。この本を読んでいる妻が「バッファローウィング」を作ってくれた。 食べる前からタバスコと酢のツーンとした匂い。 1口食べると手羽の脂とタバスコ、酢がバトルを展開。 甘みを感じたと思ったら辛みが襲ってきて口から、そして口の周りからも…

空気は読まない

諏訪中央病院名誉院長である著者の、日経ビジネスオンライン上の対談を読み面白かったので購入。長野出張の往復、新幹線「あさま」の中で読んだのだけど、何度も涙が出そうになって中断。そういえば、アマゾンの一番上のレビューに、「涙腺がゆるめの方は、…

たそがれゆく日米同盟

民主党政権が沖縄の基地問題で迷走を続け、その機を見て中国の潜水艦が沖縄と宮古島の間を横切ったり、中国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に照準を合わせたりしている。 そのような現在に必読の一冊と思われる。 FSXの共同開発。その前の東芝事件。そ…

国をつくるという仕事

西水美恵子さん。前世界銀行副総裁。 初めてその名を記憶したのは、友人やまなかさんのブログだった。 頭の片隅で気になっていたその名が次に目に飛び込んできたのは、今年1月18日から5日間、日経新聞夕刊「人間発見」で取り上げられた「鉄の女と呼ばれ…

2007年3月にNSC(吉本総合芸能学院)大阪で一度だけ開催された、島田紳助による特別講義の内容をおさめたもの。同期にオール阪神・巨人やさんまがいて、同じ事をやっていても絶対に勝てないと思った紳助が考えに考え抜いて実行していったことが惜し…

脱「ひとり勝ち」文明論

未来が明るくなる本! この本を読んだ後では、未来の明るさがまるで違う。著者は慶應大学教授にして、ポルシェを超える加速を持つスーパーカー電気自動車、「エリーカ」を作った清水教授。 「太陽電池+リチウムイオン電池」にどかんとお金をつぎ込むと、世…

容疑者Xの献身

今ごろ読みました。 ガリレオシリーズのドラマを何度か見たことがあったので、湯川先生の姿は頭の中で完全に福山雅治。 最も、柴咲コウは出てきませんが。(小説では男の刑事なので) 話の展開や数学や物理の話も面白い。 東野作品は初めて読みましたが、は…

浮いたり沈んだり

子どもたちを図書館に連れて行ったときに、ふと手に取った本。 著者は棋士である先崎八段。 数少なくなった昔ながらの博打好きの勝負師で、近頃流行り(そして強い)データ重視の棋士とは一線を画す存在。 文芸春秋の週イチ連載を約1年半分まとめた書籍なの…

さらば財務省!

☆☆☆☆☆星5つ。 たった今のこと。 相当な気合いを入れてこの本の紹介ブログを書いていて、終盤、さてまとめというところで操作ミスをしてすべて消えてしまった。(ガクッ)立ち直って書き直すほどの元気はない(>でも間違いなくお薦め。読んで損はない一冊。

ニッポンには対話がない

数年前から、「OECDのPISA調査」についてマスコミで取り上げられるようになった。 PISAの順位が低い →ゆとり教育により子どもたちの学力が落ちたせいだ! →子どもの授業数を増やせ!教科書を厚くしろ! という論調だ。日本のマスコミの、誰か(…

なぜ君は絶望と闘えたのか

トルコからの交換生、ジャンから「日本には死刑があるの?」と尋ねられた。 「ある」と答えると、「それについてあなたはどう思う?」。 本書を持ってきて、本村さんの家族に何が起こったかを説明した。 「もし僕の家族に同じことが起きたら・・・」 「うん…

赤めだか

今年最初の情熱大陸は落語家の立川談春だった。 これまで落語といえばせいぜい日曜夕方の笑点くらい。 迫力に驚き、番組でも取り上げられてた本を読んでみたくなった。 中学生だった談春少年、上野鈴本へ落語を聞きに行き、師匠となる立川談志に出会う。 「…

夢をかなえるゾウ

これも妻がブックオフに持っていくところを貰いうけた本。 大ベストセラーだったとは全然知りませんでした。 感想は本の帯にあったコメントの通り。けっこうハマりました。以下引用。 こんな神様見たことない!拗ねるわ、嘘つくわ、がめついわ、ギャグは寒い…

ビューティフル・マインド

TSUTAYA半額クーポンに誘われて店内を歩いているうちに手に取った作品。 2002年アカデミー賞(作品賞)授賞作。 ゲーム理論を発見した数学者ジョン・ナッシュ。 そういえば学生時代に「ナッシュ均衡」を習ったと思いだしたのは映画を見始めてからだった…

虜人日記

これほどまでにあの大戦の戦場を身近に感じたことは過去になかった。著者である小松真一氏。 台湾、フィリピンへブタノール生産のために軍属として派遣された科学者。 氏が30代半ばの、気力体力充実した時。 戦況悪化が著しいフィリピンのネグロス島などで…

このくにの姿

ブログでも何度か取り上げた伊東乾氏。 伊東氏の11月11日付のコラムで、このコラムは筑紫哲也氏がいなければなかったこと、筑紫氏の最後の本となった「このくにの姿」のPR対談の相手に伊東氏が指名されたことなどを読み、早速手に取った。(読了は昨年…

その日のまえに

重松清さんの本は直木賞を受賞した『ビタミンF』を読んだことがある。 心理描写が丹念で、好きな作家さんの一人。この本は妻がブックオフに持っていくという本の山から発掘した一冊。 「その日」とは家族が逝ってしまう日。幾つかの短編が収録されているが、…

コンスタンティノープルの陥落

買ってきて読んでいると、妻が「あれ?その本、私が持っているの読ませてって言ってたじゃん」。あ・・・。 そういえばそんなことがあったような(^^;)。 子どもが図書館で借りてきた「漫画・世界の歴史」を読んでいたら読みたくなったのでした。うーん、歴史…

翔ぶが如く

久しぶりに「竜馬がゆく」(司馬遼太郎著・文春文庫)全8巻を読み返した勢いで、「翔ぶが如く」全10巻を大人買い、読了。時は明治維新直後。 幕府を倒しただけで新しい政府が立ち上がるはずもなく、倒した側の薩長勢力は列強諸国に侵略されないために「近…

豚がいた教室

家族で映画を観にいった。 その名も「ブタがいた教室」。 6年2組に先生が子豚を連れてくる。一年間飼育し、最後に食べるために。 子どもたちは1年間大切に育て、ペット化したブタは順調に大きくなる。 やがて卒業が近づき、ブタを食べるか食べないかで大…

ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/11/06メディア: 新書購入: 91人 クリック: 724回この商品を含むブログ (1191件) を見る著者である梅田望夫氏と斉藤孝氏との対談を読み、梅田…

受けてみたフィンランドの教育

机の上に積んであった本の一冊。友人のブログでフィンランド教育の本を取り上げていて、これはどうだろうと思って手にとってみたら意外に面白かった。 記憶力よりも自分の意見を述べることを重視する。テスト勉強というのは沢山の本を読むことである。テスト…

ホテル・ルワンダ

元サッカー選手の中田英寿が世界中を旅する中でルワンダを訪れるのをTBSの番組で観た。日経ビジネスオンラインで伊東乾氏の「メディアで憎悪を増幅してはいけない!ルワンダ大虐殺:本当に起きたことは何なのか」を読んだ。そして、いつか観ないとと思ってい…