その日のまえに

その日のまえに (文春文庫)

重松清さんの本は直木賞を受賞した『ビタミンF』を読んだことがある。
心理描写が丹念で、好きな作家さんの一人。

この本は妻がブックオフに持っていくという本の山から発掘した一冊。
「その日」とは家族が逝ってしまう日。

幾つかの短編が収録されているが、その中の「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」は、男の子2人の父親が末期癌の妻と過ごす「その日のまえ」と「その日」と「その日のあと」が描かれる。
通勤電車で読んでいたら、何度も「やばい、あと1行読んだら涙が溢れる」と本を閉じた。

最後の方は自宅で一人っきりのときに布団の中で。
久しぶりにボロボロ泣きました。


妻や子どもたちと健康に過ごしていることに感謝の気持ちを感じたり、親を看取って子どもが成人するまでは元気でいないとと思ったり、いろいろな思いが湧いてくる本でした。
星5つ。☆☆☆☆☆