なぜ君は絶望と闘えたのか

なぜ君は絶望と闘えたのか

トルコからの交換生、ジャンから「日本には死刑があるの?」と尋ねられた。
「ある」と答えると、「それについてあなたはどう思う?」。
本書を持ってきて、本村さんの家族に何が起こったかを説明した。
「もし僕の家族に同じことが起きたら・・・」
「うん、わかるよ。」彼は涙を浮かべていた。


果たして死刑は必要なのか。
今のところの私の結論は本村氏と同じ。
加害者が心の底から反省し、悔悟しなければ被害者や被害者の家族は救われない。
そして、死刑宣告を受け自分の命が無くなることを意識して、初めて被害者について真摯に考える加害者がいる。。。


長い闘いで彼と彼を支えるチームが勝ち取ったことがいくつかある。
事件での死刑判決はもとより、犯罪被害者保護法や改正刑事訴訟法、改正検察審査会法、犯罪被害者等基本法の成立など。
「人権」といえば犯罪者の権利であるというような風潮に一石を投じ、犯罪被害者の人権が配慮されるようになったことの功績は大きい。


幼い子供を持つ親として、思い切り感情移入しながら読んだ一冊。