ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち（一）

ローマの皇帝に正式に就任するには、前任者が指名しただけでは充分ではない。元老院とローマ市民双方の、承認を必要としたのである。
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「平和」とは、外敵からの防衛だけで実現できるものではない。人々が安全な日常を過ごせてこそ、真の「平和」なのである。「パクス・ロマーナ」（ローマによる平和）とは、この両方の「パクス」を意味した。
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人事権を手中にしているのは権力を手中にしているのと同じだが、その施行となると簡単ではない。任地変更のようなことでも、まず当事者が納得しなければならない。そして、それに加えて周辺も納得させねばならない。
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この二事（街道と法律）に共通しているのは、必要に応じて”メンテナンス”をほどこさないと機能の低下はさけられないという、人間世界の現実であった。
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