大人げない大人になれ!

私のスタイルは単純である。自分より偉い人や強い人の意見はいったんはすべて否定していくのだ。
・・・なぜこのようにするのかといえば、権力を持った人の考えは、完璧な独裁者でもない限り、民主主義の論理に沿って部分最適に向かうからである。乱暴に言えば、自らの地位を守るために大衆に迎合していくのだ。
・・・ベンチャービジネスを考えるにあたっては、このあまのじゃくさが重要だ。・・・ベンチャービジネスとは、権力や権威に反抗し、他人が無視しているようなものに己の人生を賭けることである。これに価値が付加され、人を追従させることができると、そこに差益が生まれ大きな儲けをてにすることができるのだ。
(72〜73ページ)

知らないことが新たなチャレンジにつながることは往々にしてある。当人としては、それほど大それたこととは考えないのだが、業界知識や常識でこり固まった人たちからみれば、思いつきもしないことなのだ。こうした挑戦は、成功する前は無謀な素人考えとされるが、結果を出してしまえば一転、革新的な取り組みだったと評価されることになる。
(78ページ)

営業力とは、いかに自分の要求を相手にのませることができるか、その実現力を指している。
(84ページ)

自分のことを売り込みたいのであれば、やはり自己中心的でなければいけないと思う。相手を褒めて媚びるのではなく、相手に自分を褒めさせることを目指さなければならないのだ。
(86ページ)

調整役タイプのトップは、事業に大きな動きがない時、つまり、そのときどきの時流に沿えば成長が可能な時や、逆に縮小を避けられない状況においては、その能力を発揮する。こうした時には、組織そのものの維持を第一に考える必要があるからである。
しかし、組織に新たな変革が求められる際には、多少の不満や反論は押しのけていくことも必要である。結果さえ見えれば、そうした不満はすぐに消える。そうすることで、すべての力を一つの方向に振り向けることが可能になるのだ。その核となるものには、小手先の論理や利害には揺るがない確固とした理不尽さが求められるのである。
(90ページ)

よく組織改革などと声高に叫ぶことがあるが、保守的な社員を切らないことには、組織の活性化などできるはずもないと思う。
(91ページ)

あなたが今後変わりうる外部環境を完璧に予想し、会社内部のすべてを完全に把握している存在であれば、目標を設定する仕事はこの上なく素晴らしいものだ。・・・実際にはそんなことはありえない。外部環境は予想もつかない方向に変わりうるし、社内では、上からの目が届かないところでアイデアを隠し持った人が必ずいる。固定化した目標は、不確定要素にまったく対応できないのである。しかも、こうした事前に予測ができない要素にこそ、大きなビジネスチャンスが転がっている。
もしどうしても目標を立てたいのであれば、ほとんど実現不可能なくらいの大きな目標を持つべきだろう。しかし、これ自体はその達成方法を考えるのに役には立たない。自分が持つ可能性を大事にしたいのであれば、目の前のことだけに没入し、何かしらの変化を察知するにつけ、次のベストを探すというスタンスを保持することが重要である。
(109〜110ページ)

自分は変えられないのだから、他人の成功法を模倣したところで結果は出ない。たとえ真似できたとしても、皆が同じやり方をすれば、自分が抜けだすということはないのだ。
たとえば、用意周到な人であれば、納得の行くまで綿密な計画を立てるのがいいだろう。一方、準備が苦手な人は、とりあえずやってみて、走りながら考えればいいのである。どちらの方がいいとは、誰にもわからない。結局は自分に合った方法を模索するしかないのである。
(139ページ)

間接的な紹介以上に人の興味を誘うことはないのである。
(170ページ)

読書において重要なことは、本の内容を頭の中に入れることではない。大事なことは記憶することではなく、本を読むことで衝撃を受け、自分の内部に精神的な組み換えを発生させることだ。これは、単なる記憶以上に、自分の考えや行動に影響を及ぼすのである。
(175ページ)