海の都の物語(4)

「良識とは、受け身に立たされた側の云々することなのだ。行動の主導権をにぎった側は、常に非良識的に行動するものである」
―当時のヴェネツィア外交官の報告書から―
(21ページ)

現実主義者が誤りを犯すのは、自分たちが合理主義者でリアリストなものだから、非合理的に行動する相手を理解できないからなのだ。まさかそんなバカなまねはすまい、と思ってしまうのである。
(41ページ)

世にいう好戦派とは、闘いが好きな人ではなく、少しばかり他に比べて気の強いだけの人なのだから。
(56ページ)