2014-01-01から1年間の記事一覧

ローマ人の物語21 危機と克服(上)

もはや坂をころげ落ちるばかりのローマ帝国を書いていて思うのは、中間と下部がダメになったら、いかに上部ががんばろうと何をやろうとダメ、ということである。反対に、中と下の層が充分に機能していれば、少しばかりの間ならば上層部の抗争で生れた弊害も…

ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち(四)

敗者復活を容認する国家は、健全に機能する国家でもある。ローマには、それがあった。 (47ページ)権力をもてば、それがどのようなたぐいの権力であろうと、権力をもたない側からの非難を浴びずにはすまない。しかも権力者への非難とは、なぜかその権力者…

ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち(三)

ピアノのコンクールでは、審査員は有名なピアニストが担当する。いかに音楽を愛していても、単なる愛好家には、票を投ずることは許されていない。それなのに政治となると、選挙では誰でもが一票を投ずる資格をもつとされている。でないと、反民主的と非難さ…

ローマ人の物語18 悪名高き皇帝たち(二)

エキセントリックな性格の人の内心は、小心者であることが多い。小心者は、他社の中に味方を開拓しようとするよりも、、味方とはっきりしている者で自分の周囲を固めたがる。そしてこのような性格の人にとっての見方は、血縁者であることが特徴だ。 (132…

ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち(一)

ローマの皇帝に正式に就任するには、前任者が指名しただけでは充分ではない。元老院とローマ市民双方の、承認を必要としたのである。 (38ページ)「平和」とは、外敵からの防衛だけで実現できるものではない。人々が安全な日常を過ごせてこそ、真の「平和…

テニスメモ・サーブ

スクールでサーブ&ボレーの練習。 トスを前に。 ボールの上や右上を、前方、前(上)に向けて触っていく。 ボールとラケットが触っている間に、手首が上に上がる感覚。 リストの使い方が上から下にボールを叩きつけるのではなく、ボールをヒットしながら手…

ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ(下)

統治も、街道に似ている。不断のメンテナンスが不可欠と考える認識力と、認識するやただちに修正するのをいとわない柔軟な行動力と、それを可能にする経済力のうちの一つが書けても、機能しなくなる (20ページ)政治とは、小林秀雄によれば、「ある職業で…

ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ(中)

紀元前一世紀末のローマでは、少子傾向が顕著になったのだ。前二世紀までのローマの指導者階級では、グラックス兄弟の母コルネリアのように、十人もの子を産み育てるのは珍しくなかった。それが、カエサルの時代には二、三人が普通になる。アウグストゥスの…

ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ(上)

オクタヴィアヌスは、手段ではちがっても目的では、完全にカエサルと考えを一にしていた。国家ローマは、領土拡張の時代から領土維持の時代に入ったとする認識である。 (25ページ)何ごとであれ新しいことをはじめる場合の基本姿勢は、現状の正確な把握に…

ローマ人の物語13 ユリウス・カエサル ルビコン以後(下)

「人間ならば誰にでも、すべてが見えるわけではない。多くの人は、自分が見たいと欲する現実しか見ていない」 (38ページ)高級将校の四人には裏切られたカエサルも、中堅から下の兵士たちの忠誠心ならば絶対であったのだ。・・・彼等は、カエサルを信頼し…

ローマ人の物語12 ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)

支持者のほうが、主唱者より過激化するものである。 (38ページ)(第十軍団のストライキを「退役を許す」という一言で意気消沈させたカエサルのエピソードを古代の史家たちが)「カエサルは、ただの一語で兵士たちの気分を逆転させた」 (43ページ)キ…

ローマ人の物語11 ユリウス・カエサル ルビコン以後(上)

人は、全幅の信頼を寄せてではないにしろ、他人にまかせなければならないときがある。そのような場合の心がまえは、まずはやらせてみる、しかない。 (66ページ)何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。…

ローマ人の物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)

カエサル個人の辞書には、復讐という言葉はない。復讐とは、彼にすれば、復讐に燃える側もその対象にされる側も、同じ水準にいなければ成立不可能な感情なのである。しかし、兵士たちならば、同輩九千の死に復讐心を燃やすのこそ当然なのだ。ただし、それを…

ローマ人の物語9 ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)

野心とは、何かをやりとげたいと思う意志であり、虚栄とは、人々から良く思われたいという願望である。 (19ページ)文章を表現手段に選んだ者は、自分が書くことの理解が所詮は読む人次第であるのは知っている。 (74ページ)敵地で闘う総司令官にとっ…

ローマ人の物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)

イタリアの普通高校で使われている、歴史の教科書 「指導者に求められる資質は、次の五つである。 知性。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。 カエサルだけが、このすべてを持っていた」 (前書き)「人間ならば誰にでも、現実のすべて…

ローマ人の物語7 勝者の混迷(下)

権力に執着しない潔い行為と、大衆が拍手喝采するのは勝手であり、それによる利益も少なくない。 理を理解する人が常にマイノリティである人間世界では、改革を定着させるにはしばしば、手段を選んではいられないからである。 (72〜73ページ)兵士たち…

ローマ人の物語6 勝者の混迷(上)

社会不安はしばしば、経済不安からはじまる。そして経済不安は、失業者の増加という形をとって姿をあらわす。 (40ページ)失業者とはただ単に、職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。・・・多く…

テニスメモ・サーブ

調子の悪い時、右手親指と人差し指を握りから離してみる

ローマ人の物語5 ハンニバル戦記(下)

年齢が、頑固にするのではない。成功が、頑固にする ・・・ゆえに抜本的な改革は、優れた才能はもちながらも、過去の成功には加担しなかった者によってしか成されない。しばしばそれが若い世代によって成しとげられるのは、若いがゆえに、過去の成功に加担し…